日本人の再婚率
国籍を問わず、離婚をした人の大半は、過去の結婚や離婚から受けた傷の為に、再婚をしても、また同じ苦しみを経験することを恐れ、再婚に消極的になりがちなのですが、それでもアメリカの場合は、離婚した人の約75%は再婚していると言われています。
一方、日本では、離婚の増加に伴って、再婚も増えているものの、アメリカと比較すれば、再婚比率は極めて低い状況にあります。
日本人は、結婚好きな国民として知られていますが、再婚、とりわけ、女性の再婚となると、何故比率が低くなるのでしょうか?
実は、日本でも、男性の場合は、中年以降になると、一人暮らしに不慣れで、特に身の回りのことや家事をしてくれる人がどうしても必要になり、適当なところで折り合ってしまったり、年齢的にも、相応の経済力を持っていることも相まって、その魅力に惹かれる女性もいたりして、再婚しやすいのです。
逆に、女性の場合は、「もう男は懲り懲り」、「結婚はもういい」、「男の世話をさせられるのはもうたくさん」という典型的な再婚拒否の理由がよく聞かれるように、離婚した女性の再婚に対する拒否反応はとても強い傾向にあります。
また、離婚した女性の一般論として、ご自身の経験から、「結婚は女にとって割りが悪い」という考えを持っています。
従って、離婚に至までにエネルギーを使い果たしてしまって、もう再婚はまっぴらという気になってしまうものと思われます。
離婚に到った背景には、相手の不実や、結婚生活の過程での不仲など、理由は様々であるにせよ、それぞれ辛い経験があったからなわけで、離婚の決心をしてからも、相手との話し合いが付くまでに、大変な忍耐と努力が要求されるからです。
更に、相手に去られてしまった側の人の場合、幸福な結婚生活は束の間で、その後は、相手からの拒絶や別離が続くという固定観念を捨て去ることが出来ず、辛さを覚悟してまで再婚に踏み切る勇気は、なかなか起きないものです。
特に、日本社会では、中高年の再婚に対して「いい歳をして」というように、冷ややかな目で見られがちで、必ずしも中高年の再婚が歓迎される時代には成り得ていません。
しかし、多くの人は、異性との結びつきによって、性的な喜びだけではなく、愛・友情・激励・優しさなどに満ちた永続的な関係を持ちたいと願っているわけですし、日本人の寿命が益々延びる傾向がある中で、再婚は着実に増加し、再婚率は向上していくと予想されます。
再婚者の離婚率
ところで、再婚の場合は、前回の結婚が破綻した経験から、より適切な配偶者選択が成される筈ですから、再婚者の離婚率は、初婚者の離婚率よりも低くなると思われがちですが、実際には、再婚者の方が、初婚の方よりも離婚率が高いのです。
その最大の要因は、再婚家庭の場合、家族構成が複雑で、子供との関係や住宅の問題など、初婚の過程と比較すると、障害が多いことが挙げられます。
このように、再婚家庭においては様々な問題があり、研究が深めなければならないにも関わらず、日本では再婚に関する研究が遅れていて、再婚家庭に日常的に発生している困惑や葛藤の解決についての指針が与えられないまま、自身で問題解決しなければならないことが、再婚家庭の困惑を更に大きくしているとも言えます。
再婚希望者の背景事情
但し、一概に「再婚」と言っても、男女双方にお子様がいない場合、いずれか一方にお子様がいらっしゃる場合、男女双方にお子様がいらっしゃる場合、お子様が幼少の場合、当人が高齢の場合等々、再婚を考える上で考慮しなければならない背景事情はケースバイケースです。
従って、次ページ以降では、次の点に絞って、アドバイスさせていただきます。
- お子様がいらっしゃる再婚
- 再婚に関するお子様への説明
- 複合家庭でのお子様への接し方
- 親の再婚とお子様の法的立場
- 再婚相手に連れ子がいる場合
- 再婚と改姓
- 再婚家庭と住宅
- 中高年の再婚
- 再婚相手の連れ子との関係
- 老齢再婚と老人の自立
- 再婚相手が亡くなった後
- 破綻した再婚